孤独と葛藤の曲
《正解も不正解もない この世界に今》
届く人に届けばよい時代。ダンスが出来て、歌唱力も抜群、顔面も十分。楽な道はいくらでもあっただろう。しかし彼が選んだ道は、道を悩む姿そのものの提示であった。幼くして歌の世界へ飛び込んだ彼が今、ソロ11年目にして何を思うか。極端に言えば誰も共感できないステージにいる彼が、今はただひたすらに格好いい。
(荻原 梓)
悠然としたムードの中で歌われるスポーティなEDM歌謡
泣くことと戦うことがほとんど同時に、あるいは同期して、ともすれば同じ意味としてある世界。前者は"挫折"、後者は"挑戦"という単語に置き換えても良い。ダンスと歌を高いレベルで両立する三浦大知は、ある意味、アスリートのようなアーティストだと言える。そんな彼が見ているのは、やはり優れたアスリートの多くが見るように、マゾヒスティックとも言えるほどストイックな水準の世界なのだろう。
イントロから聴こえる鳥の鳴き声や、中盤での水面に跳ねる水滴の音なども、そんな感覚を強調する。高い成果を上げる、そして上げ続ける。そんな大きな目標を前にすれば、一つの挫折や一つの挑戦はプロセスの一部でしかない。そんな悠然とした感覚が、この、どこまでもスポーティなEDM歌謡のムードを支えている。
トラックのプロデュースを手掛けたのはSeihoとUTAという2人。だが、その2人がどこをどのように分担したのか見当するのが無意味に思えるくらい、「Cry & Fight」の音像は一つに統合されている。終盤のブレイクで、例の変調された高音ヴォイスが歌い上げる時、それが泣き声に聞こえるだろうか。それとも歓喜の叫びに聞こえるだろうか。おそらく、その両方が区別されない領域で、三浦大知は踊り歌っているのだろう。
イントロから聴こえる鳥の鳴き声や、中盤での水面に跳ねる水滴の音なども、そんな感覚を強調する。高い成果を上げる、そして上げ続ける。そんな大きな目標を前にすれば、一つの挫折や一つの挑戦はプロセスの一部でしかない。そんな悠然とした感覚が、この、どこまでもスポーティなEDM歌謡のムードを支えている。
トラックのプロデュースを手掛けたのはSeihoとUTAという2人。だが、その2人がどこをどのように分担したのか見当するのが無意味に思えるくらい、「Cry & Fight」の音像は一つに統合されている。終盤のブレイクで、例の変調された高音ヴォイスが歌い上げる時、それが泣き声に聞こえるだろうか。それとも歓喜の叫びに聞こえるだろうか。おそらく、その両方が区別されない領域で、三浦大知は踊り歌っているのだろう。